岐阜県関市の崖っぷち寺院 日龍峯寺

日本固有の建築様式に『懸造(かけづくり)』というジャンルが有ります。崖っぷちに張り付くように建てられた寺社仏閣を主に指し、有名な所では京都府の清水寺本殿、奈良県桜井市の長谷寺、鳥取県の三徳山投入堂などなど。今回は、岐阜県関市の日龍峯寺のご紹介Death!

大日山 日龍峯寺(にちりゅうぶじ)は、岐阜県関市下之保の山中に有る岐阜県最古の名刹。地元では高澤観音の呼び名でも親しまれ、京都の清水寺に似ていることから美濃清水の異名も持ちます。

建立は鎌倉時代(5世紀前半)で、応仁の乱で焼失した後、寛文11(1672)年に再建されたと伝えられます。ガッチリした入母屋造り、舞台を支える柱や筋交がいかにも『堅牢!』って感じでカッチョええなあ。

北条政子建立と伝えられる多宝塔。国指定の重要文化財です。応仁の乱の時にココだけ燃え残ったみたいです。さすがは政子。写真の角度的に見えないのですが、多宝塔、本堂、籠堂含む建築物の屋根は全て檜皮葺きであります。

屋根付きの木像階段を登って本堂の舞台へ。ギシギシ軋む床は若干のスリル有り。提灯、絵馬、額、よだれかけなど様々な物が奉納され、地元の厚い信仰を感じさせられました。

中でも印象に残った奉納物がコレ!お蚕さんの繭を格子に詰めた『繭額』です。整然と並んだ繭が可愛らしい。。

写真の男性からして明治あたりの相当古いものと思うのですが、繭自体にはほとんど劣化が感じられません。シルクってすごいんだなあ。繭額は、飛騨地方だけでなく群馬や福島など、養蚕の盛んだった地域の寺社仏閣でよく見られます。

本堂の裏に、眼病ボケ封じその他の病気平癒にご利益有りとされる『みたらしの霊水』がコンコンと湧き出ておりました。懐かしのポリ茶瓶で一杯。傍らにひっそりと建つ宝筺印塔※も洞窟の壁から湧く清水に濡れており、猛暑を一瞬忘れさせてくれる清涼感が有りました。

※源頼朝の遺骨が分骨されているとの伝説有り

舞台からは境内の水車や天然記念物の千本桧、天気が良ければ美濃の山々を眺めることができます。見どころが多すぎて書き切れてませんが、数ある懸け造り建築の中でも特におすすめ、必見のお寺です!ぜひに!

所在地 岐阜県関市下之保4585 大日山 日龍峯寺

駐車場 有り

TEL 0575-49-2892

公式HP https://www.takasawakannon.com/

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