鹿児島県で田んぼ道を走っていると、田んぼのあぜ道に『田の神さぁ(たのかんさぁ)』という農耕神が祀られているのをよく目にします。『田の神さぁ』は、九州の言葉で『田の神』のこと。基本は五穀豊穣を祈願する神ですが子孫繁栄の意味合いも有り、後ろから見ると男根の形状をしているものも多く見られます。
こちらの『田の神さぁ』は、手にしゃもじ(メシゲ:飯柄杓)を持ち、頭に被っているものは藁性の編み物シキを表しています。神官型、僧侶型、地蔵型、自然石型などそのバリエーションは様々ですが、こちらはたぶん鹿児島県に多い『農民型(田の神舞型)』というタイプかな。
後ろから見たお姿。どう見てもチンコですね。西日本では大黒様を田の神と見なすことが多いそうですが、大黒様も後ろから見ると男根を模していたり、2つの米俵(正面から見るとタマタマ)に乗ったりしているので関連性が有るのでしょうか。
開田記念碑の横で田んぼを見つめる『田の神さぁ』。建立は安永5年(1776年)とあります。ここでずーっと、田んぼと農家さんたちの仕事ぶりを見守っているのですね。火山に台風といった自然災害、稲作には向かないとされるシラス台地。稲作農家さんたちの切なる祈りが込められていると思うと、ちょっと胸が熱くなります。
以上、鹿児島県志布志市 蓬原中野の『田の神さぁ』でした。田の神は鹿児島・宮崎県内だけでも2000体以上有ると言われていますので、ぜひ会いに行ってみて下さい。あ、後ろから見る事も忘れずに!
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