風雨に晒されて乾燥エノキダケみたいになってしまった、茨城県稲敷郡河内町「小林町歩 鳥見神社の金精様」を参拝してきました。
鳥見神社の靖国型の鳥居と扁額(読みは“とみじんじゃ”)。周囲は田畑が果てしなく広がっており、本殿の周り以外に風雨を遮る樹木や植え込みは有りません。鳥見神社自体は、拙ブログ柏市鳥見神社の骨折した金精様でも少し紹介しましたが古墳時代や飛鳥時代に隆盛を誇った物部氏に関りが有り、その由来に様々な考察がなされる歴史深い神社です。
しかしこちらの鳥見神社はネットを含めほぼ情報が無く、印旛地方を中心に鎮座する他の鳥見神社に比べ、人々に注目されることは殆ど無いようです。江戸時代中期、印西市から利根川を渡ったこの地に開拓入植が有った際、印西市で篤く信仰されていた鳥見神社を鎮守としてここへ勧請したと考えられていますが、詳細は良く分かりません。
覆屋にすっぽり入った本堂 地蔵祠
本堂は覆い屋の中にすっぽりと入っていて、中には神社の縁起が書かれた2枚の棟札が納められています。他には簡素な手水舎とお地蔵さんが2体入った小さな祠があるのみ。狛犬もなく非常に簡素な神社です。今は神社というよりも、地域の集会所としての役割の方が大きいのでしょう。
鳥居から入り、境内の右側ギリギリに青面金剛や如意輪観音などの石仏、石塔が十数基並んでおり、その端っこに石製の金精様が隠れるように並んでいました。
13本の金精様がロケットのように台座に固定されています。石製の金精様は湿度や苔の影響で緑がかっているものも多いですが、こちらは風や日差しを遮る鎮守の森も無いためか、苔を含めカッピカピに乾燥しています。
一部折れてしまっているものも有りますが、それぞれに様々な形や彫り方が見られること(数百本見てきた私には分かる!)、そして並べ方と密集具合から、恐らく違う石工さんの作品や奉納物がこの1か所に集められてきたのではと思います。ともあれこちらの金精様はほとんど情報が無かったため、こうして出会えたことに心から感謝です。この神社を訪れるまで、まさかこんなに沢山の金精様がいらっしゃるとは想像だにしなかったのですから。
映像では分かりにくいのですが、この日は爆弾低気圧による強風の中ので参拝になりました。厳しい環境に若干くたびれた金精様でしたが、犬の遠吠えのように轟き、金精様の隙間を縫って吹き渡る強烈な風の中、私は却ってその立ち姿に何とも言えない寂寥感と美しさを感じて、いつまでも、呆然と金精様を見つめていました。
自分に財力が有れば、この金精様たちに、いや全国のこうした神様に覆屋のひとつでも直ぐに作って差し上げるんだが、、いやそんな事は土地の人を差し置いての何とも出過ぎた考えか。そもそもお金ないし!焼き付けよう、この姿を今はただ焼き付けよう。。
最後ちょっとしんみりしましたが、以上、茨城県稲敷郡河内町「小林町歩 鳥見神社の金精様」の参拝記録でした!
所在地 茨城県稲敷郡河内町小林町歩3 鳥見神社
アクセス 車で行くのが無難です
駐車場 小林町歩集会所前に注射余地あり
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