栃木県日光市の川治温泉の温泉街の道の脇に、地元の信仰を集める『おなで石』が鎮座しています。温泉街を楽しそうに歩くカップルに、不審そうに見られながら参拝してまいりました。
小さな祠の中とその周囲に、様々なタイプの金精神(男根状の神様)がチン座していらっしゃいました。特筆すべきは、真ん中の真っ赤なイチモツ。そのテカリ具合、リアルなくびれ具合、荒々しい手彫りで表現した焔を思わせるサオの部分。素晴らしいですね。
私は勝手にこの方を、金精神界の 赤い彗星 と呼んでいます。
しかしこの祠の本体でもある『おなで石』はこちらの女陰石。むかし鬼怒川の氾濫で流れ着いた、女陰に形の似た自然石を祀ったもので、ワレメ部分に沿って撫でると子宝、安産、良縁などにご利益が有るとされています。周りのチン石たちは恐らくその後に他の場所から移されたり、個人的に奉納されたものなのでしょう。
後からやってきたチン石が目立ちすぎて主役が影に隠れてしまっているわけですが、私はそれも良しと思います。他のこうしたスポットもそうですし、全体で見ても男根石の方が数量的に圧倒的に多い。そしてチン石はほとんどが堂々として大らかであり、可愛らしさや馬鹿っぽさ(神様に失礼!)も内包している。
それに比べ女陰の神様はたいていひっそりと控えめで、祈願の内容の性格からか、より真摯でひたむきな信仰を集めていることが多いです。これは私見ですが、女性の性に関することは程よいヴェールに包まれていた方が安心で、これからも、男より深い神秘性を持っていてほしいなあと。(なんか怒られる?コレ)
祠に飾られていた素敵な絵馬。昔はこんなかなまら祭りチックなお祭りをしていたのでしょうか?壱千年前の祭りの様子みたいですが、資料によると『おなで石』は、『お土産屋さんの店主が、戦後すぐに洪水で流れ着いた女陰石を店の前に移して祀った(お土産屋さんは現在廃業)』らしいので、現在の『おなで石』とこの祭りとは直接関係が無いのかもしれませんね。
ともあれ日本の誇る文化『温泉』と『金精信仰』の深いつながりを象徴する、格好のスポットだと思います。しかし、私は祠に有ったという『おなで石スタンプ』の存在に気付かず、それに急いでて温泉にも入っていません。皆様は忘れずに!以上、日光川治温泉の『おなで石』でした。
所在地 栃木県日光市川治温泉川治22
駐車場 川治ふれあい公園 無料駐車場8台