夏野菜、夕顔の実を食す

夏になると、近所の八百屋に夕顔の実が並びます。冬瓜よりトロリとして柔らかく、ワタまで美味しく食べれる夕顔の実。今回は3種類の料理を作ってみました。

夕顔は、夕方に白い花を咲かせることから夕顔と呼ばれますが、アサガオ、ヒルガオはヒルガオ科の植物であるのに対して、夕顔はウリ科の植物で類縁関係は有りません。実は通常丸くてかんぴょうの原料として有名ですが、今回使ったのは長い形状に品種改良された『長夕顔』という種類です。

皮をむき、ワタをくりぬいてヒタヒタの水で実が透明になるまで茹でます。鳥ひき肉と椎茸と玉ねぎのみじん切りで餡をつくり、水気を切った夕顔のみ実にかければ『夕顔の鳥ひき肉あんかけ』の完成。トロリとした食感で美味しいです。

こちらは『夕顔のシソ味噌炒め』。同じように下処理した夕顔の実を1cm程度の厚さに切ってピーマン、玉ねぎなどと一緒に炒め、味噌、砂糖、日本酒、きざんだ青じそで味をつけて出来上がり。夕顔の実に味がよく染みて、ビールに抜群に合います。

こちらは『夕顔のワタ入りスープ』。夕顔とハム、玉ねぎとブイヨンでスープにしただけですが、夕顔の食感も相まって、胃に染み渡るような優しい味。くり抜いたワタも食べられますので取り除いて種をしごき取って一緒に煮込みます。写真の真ん中に写っているのが夕顔の実のワタで、ゼリーのようなプルプルな舌触りは病みつきになりそう!一食の価値ありです。

夕顔の実は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、葉酸などミネラル豊富で、食物繊維も多いためダイエットや夏バテ防止や高血圧防止に役立ちます。また夕方に花を咲かせる姿が、儚さを愛でる日本人の心情に合ったのか、夕顔は『枕草紙』や『源氏物語』を始め様々な作品のモチーフになっています。まあ、枕草紙だと『実がでかくてみっともない』とかディスられていますけども。。

八百屋で見かけることは少ないと思いますが、夏に見かけたらぜひ買ってみて下さい。実が大きいので場所とりますけど、美味しいですよ。

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