神奈川県相模原市緑区佐野川、八幡神社境内の道祖神を参拝してきました。磐座の割れ目からニョキッと生えた、キノコのような可愛らしい神様です。
緑川の八幡神社は相模湖へ注ぐ沢井川の上流沿いに有り、すぐそばのせせらぎの音が心地よい。八幡神社は全国で最も数の多い神社で、祭神は『応神天皇』。応神天皇は弓術の達人と伝えられ、鶴岡八幡宮を興した源氏の氏神、武勇の神として武士や一般庶民に広く信仰されていきました。小説やドラマで、武士が決め時に『南無八幡大菩薩』と唱えるシーンはこれがルーツです。現在のご利益も、『勝利祈願』や『出世開運』であることがほとんどですね。
県指定天然記念物の『キマダラルリツバメ』の保護を知らせる案内板。八幡神社といえば『仲秋祭』といって、仏教の殺生戒に基づいて獣や魚、虫などを自然に放って供養する祭祀儀礼があります。神社における神仏習合を如実に表す祭祀であり、自然保護の立て看板も相まって感慨深いものがあります。残念がらキマダラルリツバメは発見できませんでしたが。
鳥居をくぐって階段を登ると、素朴な割拝殿を通って境内へ出る構造になっています。ちなみに私は、この『トンネルを抜けるとそこは神社だった』パターンが大好きです!
割拝殿を出て左手に、沢の水を引っ張ったと思われるタイルづくりの手水があります。私はこういうのも大好きです!陣馬山あたりからの沢水でしょうか、手を浸すと鮮烈な冷たさで運転の疲れが吹っ飛びました。
拝殿と拝殿内部。格子戸は普段から外されているのか非常にオープンな印象です。ネットの情報によると平安末期か鎌倉初期制作の聖観音菩薩立像があるらしいですが、本殿に安置されているのかな。神社に菩薩像というのも仲秋祭の成り立ちと併せて面白いですね。
で、境内の右手に目をやると、大きな岩の割れ目の上に小さな男根型道祖神の姿が見えました。まずはお賽銭を供えてお祈りです。ちなみに神奈川県ではこうした形状の神を『サイノカミ』もしくは『セイノカミ』と呼びますが、便宜上こちらでは道祖神と表記しています。もしかしたら手前の支柱らしきものに、以前は案内板があったのかもしれません。
アップを前後から。石製で高さは30センチ程度。背面は偶然欠けてしまった可能性もありますが、カリ首を表現しているのではないかと思います。そしてその後ろの石はもしかして?!
割拝殿に登って斜め上から撮影すると更に分かりやすいのですが、この大岩の割れ目を女陰に見立て、陰陽一対の道祖神なのではと思われます。最初にネットでこの道祖神を拝見した時、なぜ大岩の上にチン座しているのかと不思議に思ったのですが勝手に納得です。陰陽一対の場合左右に並ぶのが一般的ですが、男女のサイズに差がありすぎたから上に乗っけたのかなあと、あれこれ想像するのが楽しい。
だとすればチンコの裏の尖った石は陰核かな?いや、男根の神様の元々のお姿か。周囲の状況からしてこの位置にこんな巨岩があるのは不自然なので、山中などから移設したのかも知れません。由来含め情報がほぼ無いのでいずれも憶測に過ぎませんが。。
広場にある、かなりくたびれた遊具たち。退廃的でフォトジェニックですが、同時に使用する子どもたちが居ないという物悲しさも感じます。日本でも性教育をオープンにしようという風潮がある中、こうした古来からの性信仰にもフォーカスを当ててもらい、伝承や保全に繋がったらいいのになあと思います。境内で焚き火をした形跡はありましたが誰もおらず、詳しい話はいつかの機会にリサーチできたらと思います。
以上、神奈川県相模原市緑区佐野川『八幡神社の道祖神』のレポートでした!
住所 神奈川県相模原市緑区佐野川1400
駐車場 駐車場はありません。鳥居の前に自動車1台駐車可能な余地あり
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