愛知県知多郡南知多町にある中之院、軍人墓地へ行って参りました。境内の片隅に数十体にも及ぶ兵隊さんの石像が並んで、じっと一点を見つめていました。
案内板の説明によるとこの兵隊さんたちのモデルのほとんどは、昭和12年の上海上陸作戦で戦死された名古屋第三師団歩兵第六連隊の兵士の方々との事。
ご遺族が戦没者一時金を使って写真を元に建立された像で、造立は昭和12年から18年の間に行われました。建立から80年以上経っているのに、とてもしっかりしていますね。
私のお気に入りの像がこちらで、にこやかな優しい表情が印象的。全て、顔や表情、体格の違うコンクリート製の石像たち。帽子や軍服にいたる細部の作りこみ。表情からビシビシ伝わってくる、憂い、郷愁、そして必ず還るという決意。写真を元につくったとは思えない、生前の人となりやストーリーが見えてくるような圧倒的な存在感。。しばし言葉もなく、ひたすらにシャッターを切りました。
上陸から半月で200人いた師団はほぼ壊滅してしまったとの事。戦地はかなり悲惨な状況であったことが想像できます。この日は風が強く、強風の中に凛と立つ姿が余計に心に刺さりました。
故郷の愛犬か、軍の犬かは分かりませんが、傍らに犬を連れた石像も。ちなみに後で知ったのですが、なんとここの石像群はかの浅野祥雲大先生の作品なんだとか。【桃太郎神社】や【五色園】のイメージそのままに行くと、そのギャップに腰を抜かす事でしょう。さすがは祥雲先生!浅野祥雲ファンの方は必ず訪問すべきだと思います。
戦争が過ちであることは確かです。しかし、国のため家族のため故郷のために命を懸けて戦ったご先祖様たちには尊敬の念を抱かずにはいられません。どうか安らかにお眠りください(合掌)。
所在地 愛知県知多郡南知多町山海字土間53
TEL 0569-62-0655
駐車場 有りませんが空きスペースに駐車可能です