山梨県上野原市『犬目宿の陰陽道祖神』

相模湖から４０分ほど車で走り山梨県に入ったあたりの山あいに、『犬目宿』という不思議な名前の宿場町があります。そこには『鉄の箱』に入った『そのまんまやないかい』系の道祖神様がひっそりと住んでおりました。

道祖神は『犬目のバス停を右に曲がった先』『鉄の箱に入っている』という情報しか無く手探りで探したところ、集落から少し離れた旧甲州街道沿いにそれらしきものを発見！他所の人が見たら、地域のゴミステーションと見間違えてスルーすると思います。階段の上にある立地、その屋根から辛うじて祠であることを推察。これまでの経験が活きました！

では失礼して御開帳。『そのまんまやないかい』系の陰陽型の石造道祖神のペアが鉄のお家にお住まいでした。なかなかリアル造形の男女混合ペアですね。意外なお賽銭の多さ、そして秘所中の秘所がかなり黒ずんでおられるのは、思ったより子宝安産のご利益があり、地域で親しまれている証拠でしょうか。いや、黒ずんでいるのは地元のやんちゃキッズの仕業かも知れませんが。

ともあれ、お会いできて良かった良かった。『鉄の箱』に入って大事にされているようですし、こういう情報が少ない神様に出会えると喜びもひとしおです。今思えば、鉄の箱に入っているのは大事にする、というよりは『リアルすぎて小さいお友達に見せられない』ということなのかも。。あとちなみに訪問時、祠の前に軽トラで演歌を爆音でかけて昼寝してるおっちゃんがいまして、すぐそばでパシャパシャ写真を撮ったりしても全く動じずガーガーと爆睡かましてました。のんびりしてますね。というわけで、ムービーの蝉の鳴き声に混じって、ほんのり演歌が流れています。。

『犬目』という名前の由来は郷土史家でも分からないらしいですが、なにやらミステリアスな響きですね。雨が来そうだったのと時間が無いのとで、集落は散策できず。つげ義春の『猫町紀行』のモデル説もあるし、かなり無理矢理な『桃太郎誕生の地説』を展開している宝勝寺や、犬目のルーツに関係ありそうな犬嶋神社にも行きたかったなー。またいつか、再訪したく思います！以上、『犬目宿の陰陽道祖神』でした！