藤沢→江の島→小田原の旅行がちょうど小正月に当たったので、伊勢原市日向藤野集落の「セエトバライ」のお供え物を見に行きました。
集落の細道のカーブ中ほどに、道祖神と刻印された石碑と数基の道祖神が集められた一角があります。道の右側にも石仏群があるため、最初は見過ごしてしまい危ないところでした。
こちらが藤野の「セエトバライ」の供え物です。地元のお年寄りが毎年1月14日に大根や人参で作るのですが、リュウノヒゲでアンダーヘアーも作られておりなかなかリアルな造形です。作るときのすごく楽しそうな状況が目に浮かびます。あ、アンダーヘアーとかぼかして言ってすみません!陰毛ですね!
ちなみに「セエトバライ」とは、日本各地で小正月に行われる「どんど焼き」や「左義長」等と呼ばれる火祭りの地方名。わら等で作ったやぐらを燃やして正月飾りを焼き、一緒に餅やするめを焼いてお酒を飲み、豊作や子孫繁栄を願うという素晴らしい行事です。また「セエト」はお飾りを積み上げたものを称する「サイノカミ※道祖神とは別物」から来ており、「ハライ」は「払う(燃やす)」から由来するそうです。
リュウノヒゲで作った陰毛を爪楊枝にまとめてサオ部分に刺しているのですが、これを見ていると私の秘所もズキズキと痛むような錯覚に襲われます。中世の拷問か!それほどリアルな入魂の作ということですね。
道祖神と刻印された石碑と、その根元の男根型の道祖神。この辺りではこうした道祖神を「セエノカミ」「セーノカミ」と呼びます。こちらは、村の境にあって他地域からの厄災を防ぐ神様の一種「サイノカミ」からそのまま来ているのでしょう。
静かな時間が流れる、厳かな祈りの場。周囲にも、先代のセエノカミか近辺から集められた自然石か、男根に似た石棒がチン座していました。
で、こちらのお供え物は集落の新婚の家があればそのお宅に一泊し、その家には子宝が授かるという言い伝えが今も残っているそうです。実に微笑ましい風習で、これからも末永く残っていってほしいと願います。どんど焼きや道祖神に関する風習や祭りは地域ごとに様々なカタチがあり、保存を行う皆様に対して陰ながら感謝しております。
以上、伊勢原市日向 藤野の「セエトバライ」の訪問記録でした!
住所 神奈川県伊勢原市日向藤野地区
駐車場 無し 周囲にご迷惑のかからないよう駐車しましょう
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