埼玉県本庄市 御嶽神社『秋山の大魔羅様』

埼玉県本庄市の御嶽(みたけ)神社『大魔羅様』のレポートです。コンパクトな敷地にぎっしり詰まった大小さまざまな珍棒の数々。男根型の神様は東北の独壇場じゃありません。関東にもたくさんありますよ!

御嶽神社の外観と扁額。猫の額ほどの土地(失礼!)にある、とてもコンパクトな神社です。写真を見てお気づきの方もいらっしゃると思いますが鳥居がとても低く、長身の方なら頭をぶつけてしまいそうな勢い。私は鳥居をくぐるときは基本首を垂れて入るのでちょうど良いのですけどね。戦前は、今より広い敷地の神社だったそうです。

御嶽神社の拝殿です。御嶽(みたけ)神社は、蔵王権現を祀る神社。蔵王権現は役小角が吉野での修行中に示現したとされる修験道のご本尊で、釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩の三尊の合体したものとされています。木曽御嶽信仰に基づく神社は御嶽神社(おんたけじんじゃ)として区別され、起源は同じですが別の神社になります(ややこしい)。

祠の前にソソリ立つ、木製の男根像×2。風神雷神の風格です。

『珍棒にいたずらするやつは許さないゾ!×2』

祠の左脇にある石製男根。反り具合や裏スジの緊張感、重力を感じる玉の垂れ下がりに至るまでなかなかリアルな造形です。

祠の内部には木製の男根が多数奉納されていました。紙垂もまだ新しく、いまだ信仰が続いていることを物語っています。案内板によれば、『大小さまざまな石棒が人知れず奉納され、あまりの多さに氏子が時折片づける事もある』そうな。片づけるって、まさか薪代わりに燃やしちゃうとかじゃないよね??いずれにしても、多くの信仰を集めているようで微笑ましい話です。

しかし肝心のご神体『秋山の大魔羅様』が見当たりません。どうやら神社の南側の民家に安置されているらしい。めぼしを付けた南側の民家は空き家のようだったので近所で聞き込みをしたところ、そのお宅がご神体のお宅でドンピシャだったのですが、現在人が住んでおらず拝観不可でした。残念。。

案内板の記述では『長さ57センチメートル、太さ47センチメートル(周長)、重さは23キログラムあり、普通の石棒より丸みが太く、石質も良く、破損もしていない貴重な品である。』との事。写真だけでも見たかったなあ。

ご神体じゃないけど、祠の中にあった木製の立派な一本

ちなみに『魔羅』について。『マラ』とはサンスクリット語で『仏教修行を妨げ人の心を惑わす悪神』であり、僧侶の間での陰茎を指す隠語だったらしいです。『麻羅』『摩羅』など様々な漢字を当てますね。麻辣タン麺とかもそうですね。(違います) ちなみに私はマラと言う言葉を知ったのは、子供の頃に読んだ漫画『花の慶次』。合戦中に主人公の前田慶次が、部下たちに『者どもマラを出せ!』と命じて敵軍に立小便を浴びせるという、無茶苦茶なシーンで『マラ』を知りました。

御嶽神社や蔵王権現の信仰と男根の奉納との関連性は分かりませんが、古くから子孫繁栄や夫婦和合の神様として敬われてきたようです。蔵王権現って明王に似た荒々しい神様みたいだし、猿田彦命や道鏡みたいに男根と結びついたりしてるのでしょうか?以上、コンパクトな中にも見どころ満載『秋山の大魔羅様』のリポートでした!

所在地 埼玉県本庄市児玉町秋山 御嶽神社

駐車場 無し 迷惑のかからない場所に駐車しましょう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です