大河ドラマ「鎌倉殿の13人」好評放送中ということで、源氏一族や北条政子ゆかりのネタをひとつ。伊豆半島の真ん中へん、伊豆市修善寺にある横瀬八幡神社の女陰石を詣でてきました。
横瀬八幡神社は旧修善寺村の氏神で、主祭神は品陀和氣命(ほんだわけのみこと・第15代応神天皇)相殿神(あいどのしん※神社に2柱以上の神が祀られているときに用いられる呼称)は鎌倉幕府二代将軍・源頼家公です。北条政子さんとの関りは後ほど詳しく。
さっそく本殿の脇にあるという女陰石を見にいこうとしたら、ん?本殿の前に。。
な、なんかいる!
えっと、土下座するおじさん、いやカエルかな?も、もしかしてこれ狛犬なの??
近くで見てみると本当に狛犬でした。。狛犬って本殿を守る魔除けの意味合いがあるのですが、何とも頼りない雰囲気ですね。ゲジゲジ眉につぶれたお鼻。阿吽っていうよりも「あ?」「う、うん」みたいな感じです。
口伝によると、狛犬を見たことが無かった当時の石工が、人からの伝聞を元に想像で彫ったらしいです。武蔵御嶽神社の拝殿前にいる狛犬なんてすごいゴリマッチョで、地獄の門番ケルベロスみたいな風体ですが、同じ狛犬でもえらい違いだ。。
でも私はこういうユーモラスな狛犬も大好きですよ。狛犬界隈では結構有名な狛犬らしいので、こちら目当てで参拝しても面白いかもしれません。さて気を取り直して、拝殿で賽銭を納めて右脇にある末社の入った覆屋へ。一番左の赤い幕のかかった祠に、北条政子さんに縁があると伝わる女陰石が祀られています。
陰石の前には、教育的指導のためか赤い蝶ネクタイの付けられた神前幕。チラリズム的で却ってよろしいですね。では、失礼してピラッと。何かスイマセン。。
こちらが横瀬八幡神社の「孔門石(こうもんせき)」様です。直径は50センチほどで、座りのよさそうなカタチをしています。石の後ろには祈願成就のお札らしきものが一枚納められていました。
以下、由来の書いた案内板から、孔門石に関して記載された部分の抜粋・テキトーな現代語訳です
北条政子が修善寺温泉で湯あみした時に、奥殿(女陰)の病に罹って鎌倉から医者を呼び寄せ診断させた。しかし政子は侍従を介して、「奥殿を見られるのも触られるのもイヤ!」と医者に命じた。困った医者は自分の持つ糸の片端を政子に持たせ、政子の手から伝わる糸の動きによって患部を診断するいう、スーパードクターKも真っ青な技術で病状を察知した。
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診断できたのは良いけど、触ることも見ることも出来ないのにお薬をどうやって塗ったら良いのかと悩んでいると、八幡宮の神主さんがやってきて、お告げに従って持参した陰石(孔門石)に丹と粉と鉄の三色を部位ごとに塗り、政子には同じく三色に分けた薬を調合して陰石と同じ個所に塗るように説明して手渡した。これに政子が従ったところ、たちどころに病気が平癒しましたとさ。めでたしめでたし。
あくまで逸話ですが、尼将軍と呼ばれ、旦那(頼朝公)の愛人の家をぶっ壊したりした日本を代表する女丈夫の政子様に、医者に秘所を見せるのを嫌がるような乙女な部分もあったのですね。
平安から鎌倉にかけて、性に関して現代よりはるかに大らかな時代だったと思いますが、こうした言い伝えから、当時の性に対する意識に想いを巡らすのもなかなか楽しいと思います。
孔門石のクローズアップ。なんかスイマセン。。案内板によれば自然石とのことですがなかなかのリアルさです(理由の詳細は省略)。孔門石はの別名が「紅門石」っていうのも色々とかきたてるなあ。。
で、上記の政子さんの悪病平癒エピソードから女性特有の病や子宝開運のご利益があると言われ、毎年10月19日近くの日曜日にお祭りが行われているそうです。陰陽石の信仰が特定個人と結びついている例は珍しく(例外:道鏡様)、貴重な物件だと思います。
境内は綺麗に掃除されていて、簡素ながら清々しい神社でした。大河ドラマや歴史マニアの方、狛犬ファンの方、珍石探検家の方、それぞれ見どころのあるおすすめスポットです。皆様もぜひ!以上、「横瀬八幡神社の孔門石」のレポートでした!
住所 静岡県伊豆市修善寺256 横瀬八幡神社
アクセス 伊豆箱根鉄道駿豆線「修善寺」駅より徒歩約10分
駐車場 参道入り口に、軽自動車程度なら1台辛うじて停められるスペース有り
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