鹿児島県と宮崎県の県境近く、鹿児島県曽於市末吉町にある檍(あおき)神社の安産子育地蔵の『おっぱい水』で知人の安産祈願をしてきました。
参道入口と明神鳥居型の一の鳥居。檍神社は、飛鳥時代後期から奈良時代あたりに伊邪那岐命(イザナギノミコト)が禊祓をした聖地として創建されたという伝承が有り、地元で長らく安産子育ての神様として親しまれてきました。
ちなみに伊邪那岐命といえばパートナーの伊邪那美命(イザナミノミコト)と共に行った日本史上初の性行為(立ちバック説あり)で有名ですが、そういった神話からか、祭神にイザナギノミコトを据える神社には男女の性にまつわる神様の存在や子孫繁栄、子宝安産のご利益が多いと思います(ex 甲府市の夫婦木神社、宇和島の多賀神社凸凹寺など)。
二の鳥居、鳥居のたもとには仲良く寄り添う双体型道祖神がいらしてほっこりしました。鹿児島県は田の神様である『田の神さぁ(たのかんさぁ)※』の存在感が強すぎて、こうしたオーソドックスな道祖神様の存在は珍しく感じます。
※たのかんさぁに関しては後述します
少し歩くと左手に、イザナギが黄泉の穢を落とすために禊を行ったと伝わる小戸(おど)池が見えてきます。この池の水も妊婦さんが飲むと安産にご利益があると伝えられております。池の奥には、何故か地元のお子さんが書いたというポジティブワードの看板が。
そうだよね、全国の下半身ネタばかり追っかけて肩身の狭い思いを感じることもありますが、自分で選んだ道だからね!ありがとう地元のお子さん!
さらに進むと、素朴ながら手入れの行き届いた小さな拝殿が見えてきます。1月に参拝しましたので正月飾りが残っていました。中を除くと本殿へ続く弊殿が階段状になっていますが、これは奥の本殿が斜面の高いところに建っているためであります。
外から見た弊殿 兼 階段部分と、流造(ながれづくり)様式の本殿。私は階段マニアでもありますのでこういう複雑な構造は大好きであります。近年、建屋保護のためもあり本殿を覆屋ですっぽり囲んでいる姿をよく見受けますが、こちらのように本殿をしっかり眺められるのも嬉しいことです。
で、社殿の右奥に回りますと今回の主役、『安産子育地蔵』様がいらっしゃいました。あれ?しかしお乳から水が出ていない??何故だろうと思い近づいてみます。
出ました!近づくのを見られていたかのように、霊験あらたかな水が勢いよく!しかし聞くところによると、人感センサーがあって人が近づくと水が出る仕組みになっているようですね。。知人に出産間近の夫婦が居ましたのでしっかりとお祈りしました。妊婦さん本人が水を飲めば安産のご利益あり。ちなみに水を汲んで持ち帰る際は、瓶の口を下に向けて汲むとお産が流れるように軽くなるとの事でした。
水は人がいる間出っぱなしではなくて、数十秒間隔くらいでランダムに出たり止まったりします。ムービーを撮影するときに水が出るタイミングが掴めず、30分くらいお地蔵さんの前であーでもないこーでもないと頑張りました。
しかしなんかこう、真剣な祈りの場所であることは分かっているのですがあたくし一応男ですし、お地蔵さんといえどおっぱいにかじりついての撮影は何やら心がムズがゆいというか、こっ恥ずかしい感じになりますね!この日は参拝の方が少なくてよかった。。
地蔵様のお顔のアップ。何とも慈愛に溢れる表情をされています。しかし最初写真で拝見したときから感じているのですが、手にメシゲ(しゃもじ)や茶碗こそ持ってないけど、藁の敷物をかぶっているような像容含め、田の神さぁ(九州南部によく見られる田の神:農耕神)の僧衣型のものによく似ていると思います。
田の神さぁは道祖神や塞の神と習合したことから安産や子授けのご利益を持ちますし、この安産子育地蔵様も田の神の一種なのかも知れませんね。ちなみに乳房があるということで女性なのでしょうが、後ろから見たシルエットはやはり、他の田の神の類にもれず男性のアレにそっくりなのでした。
檍神社の由来や神話を説明する案内板。国造りの神話にゆかりある土地ということもあり、小さな神社ですが戦国時代の頃からすでに崇敬を集めていたようです。行事関連の掲示板もありましたが、野外ライブやバザーの告知が有り、地元の方々にもかなり親しまれている様子。これからも末永く、安産子育地蔵が人々の祈りを受け止めてくれることでしょう。
以上、鹿児島県曽於市末吉町『檍神社 安産子育地蔵のおっぱい水』のレポートでした!ちなみに知人夫婦は元気な男の子を出産しました!
お乳から水が出る石像と言えば、愛知県小牧市の間々観音に数年前参拝していますのでまた今度書いてみようと思います。
住所 鹿児島県曽於市末吉町南之郷4772
駐車場 二の鳥居前に自動車を数台駐車可能
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